
奥山に 紅葉ふみ分け 鳴く鹿の
声きく時ぞ 秋は悲しき
Reading
Okuyama ni Momiji fumiwake Naku shika no
Koe kiku toki zo Aki wa kanashiki
和歌の意味
人里離れた山奥で、紅葉を踏み分けて歩いていると、鹿が鳴いている声が聞こえる。秋だなあ、私もあの人が恋しいなあ。
Meaning
How lonely autumn is when a deer calls his wife plodding on the ground covered with maple leaves in the mountains.
鑑賞
猿丸太夫。何だか親しみのあるお名前ですね。伝説の歌人です。
秋には、牡鹿が雌鹿を求めて鳴くとされています。そのことに遠く離れた妻や恋人を思う気持ちが重ねられています。
秋は悲しい季節という感覚は昔からあるのですね。
蝉丸太夫は、三十六歌仙の一人です。
作者未詳の作品が、これは蝉丸太夫のものかな?と言われているものもあります。この和歌は、暗唱しやすいですね。