
かささぎの 渡せる橋に おく霜の
白きを見れば 夜ぞふけにける
Reading
Kasasagi no wataseru hashi ni oku shimo no
Shiroki wo mire ba Yo zo fuke ni keru
和歌の意味
胸が白いかささぎが、翼を連ねて天の川にかかる橋を作っているように、宮中の御橋(みはし)に白い霜がおりているのを見ると、もうすっかり夜が更けてきたことだなあと思う。
Meaning
Oh, it has grown so late at night, seeing the frost on the bridge in the imperial Court, the legendary bridge magpie spans the Milky Way, brightening whitely.
鑑賞
鵲(かささぎ)とは、カラス科の鳥。肩から胸腹にかけて白く、尾は黒くて長い。中国の七夕伝説では、翼をつらねて橋となり、天の川にかかって織女を牽牛のもとへと渡すとされている。
この歌は宮中の御階(みはし)をかささぎが連なって渡した橋に見立て、その橋に霜が降りている、夜も更けてきたなぁ、という思い。厳しい冬の世界を描いています。
大伴家持のこと。『万葉集』の代表的歌人で編纂者の一人。