百人一首の解説

The meaning of Hyakuninishu waka poems

No.100

順徳院

Juntokuin

順徳院

百敷や 古き軒端の しのぶにも
なほあまりある 昔なりけり

Reading

Momoshiki ya Furuki nokiba no Shinobu ni mo
Nao amari aru Mukashi nari keri

和歌の意味

宮中の古い建物の軒端には、忍草が生えている。それを見る。偲んでも偲んでも偲び足りない程に、朝廷が栄えたあの昔が懐かしく思い出される。

Meaning

I look back upon the past, when the Imperial Court was the most prosperous, seeing the shinobu growing over the edge of the old and ruined eaves of the Imperial Palace, but I can't miss it all, no matter how I miss it.

鑑賞

百敷とは、宮中、内裏のこと。
「しのぶ」は「忍ぶ」と「忍ぶ草」の掛詞。
古びた屋敷の軒端に忍ぶ草が生えているというのは、朝廷の権
威が衰えてしまったことを象徴している。
政権はすでに鎌倉幕府に移ってしまった。
皇室の栄えていた昔と今のこの衰退ぶりは余りにも大きく空しいばかりだ。天皇としての沈痛な思いが伺える。
順徳院は後鳥羽上皇の息子。幼少のころから利発で、後鳥羽天皇の寵愛を受けた。和歌の才能も有り、定家と親交を結んでいた。承久の乱で佐渡へ配流された。