百人一首の解説

The meaning of Hyakuninishu waka poems

No.099

後鳥羽院

Gotobain

後鳥羽院

人も惜し 人も恨めし あぢきなく
世を思ふゆゑに 物思ふ身は

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Hito mo oshi Hito mo urameshi Ajikinaku
Yo wo omou yue ni Mono omou mi wa

和歌の意味

人が愛おしい、また人が恨めしい、味気ないこの世を思う。思うに任せないこの治世。あれこれ物思いをして悩みばかりだ。

Meaning

It is a matter for regret that I am lost in thought variously because of taking this world unworthy,sometimes loving people and sometimes hating people.

鑑賞

「人も惜し」と「人も恨めし」を対比させ、相反する思いを交錯させている。
あじきなくは、為政者として、思い通りにはならないこの世を嘆いている。
源平合戦で兵士が破れたのち、即位した後鳥羽天皇は、その後後鳥羽院になったが、和歌に初め、熊野御幸に刀剣など精力的に打ち込み、多彩な才能を発揮した。
中でも和歌は、才能を発揮し、藤原定家を師として没頭した。共に『新古今集』を編纂した。その後承久の乱で、鎌倉幕府に敗れ、隠岐の島に流された。