
天の原 ふりさけ見れば 春日なる
三笠の山に 出でし月かも
Reading
Amanohara Furisake mire ba Kasuga naru
Mikasano-yama ni Ide shi tsuki kamo
和歌の意味
大空をふり仰いではるか遠くを眺めると、今見ている月は、かつて奈良の三笠の山の上に出ていた月と同じなのだなあ。
Meaning
Looking up at the sky, the moon is out, which used to be on Mt. Mikasa in my hometown. Oh, I miss it.
鑑賞
安倍仲麿はとても賢くて、17才で遣唐使と共に留学生として唐へ渡りました。時の皇帝に気に入られ、官位を得て働くうちに30年の年月が経ってしまいました。いよいよ日本へ帰ることが許され、送別会の席で、故郷を思い詠んだ歌です。その後、仲麻呂のった船は嵐で難破して、日本には帰れなかったそうです。
当時、中国は日本人にとって憧れの外国でした。律令制が整い、優れた文化があり、立派な文人たちの居る国で、お手本でした。
遣唐使達の1回の渡航には、四隻の船に大勢の役割の人々が乗り大事業でした。遣隋使は3~4回、遣唐使は十数回送られたそうです。
昔、日本は中国をお手本とし、親しく交流をしていたのですね。