百人一首の解説

The meaning of Hyakuninishu waka poems

No.008

喜撰法師

Kisen Hoshi

喜撰法師

わが庵は 都のたつみ しかぞ住む
世をうぢ山と 人はいふなり

Reading

Wa ga iwo wa Miyako no tatsumi Shika zo sumu
Yo wo Ujiyama to Hito wa iu nari

和歌の意味

私の庵は都の東南にあり、けっこう気楽に暮らしている。それなのに世間の人は私が世の中を憂しと思って、宇治山に隠れて住んでいると言っているようだ。

Meaning

My hermitage is in the southeast of the capital, where I live quietly like this, but people call it Mt. Uji for the life escaping from this world, taking it bitter.

鑑賞

辰巳は十二支の方位で言うと東南、宇治と憂しは掛詞。
しかぞ住むは、鹿ぞ住むとの掛詞。
宇治は世俗を離れた地で、平安貴族の別荘地とされていた。源氏物語の宇治十帖の舞台となった場所でもある。
藤原頼通は、父の藤原道長の別荘を寺に改めて、宇治平等院鳳凰堂を建立させた。極楽浄土を再現したと言われている。10円硬貨にも描かれていますね。鳳凰堂は2014年に改修され美しい姿が再現されました。世界遺産に指定されています。
喜撰法師は、『古今集』の代表的歌人。