百人一首の解説

The meaning of Hyakuninishu waka poems

No.013

陽成院

Yozeiin

陽成院

筑波嶺の 嶺より落つる みなの川
恋ぞつもりて 淵となりぬる

Reading

Tsukubane no Mine yori otsuru Minanogawa
Koi zo tsumori te Fuchi to nari nuru

和歌の意味

筑波の峰から激しく落ちて流れていく小さな水の流れも、次第に大きくなって男女川(みなのがわ)とな、やがて深い淵(ふち)となる様に、私のほのかな恋心も積もり積もって、今では淵の様に深くなってしまった。

Meaning

My love has got deep enough to make a pool now, as well as the drops from the peak of Mt. Tsukuba make a deep pool in Minano River.

鑑賞

筑波嶺(つくばね)は常陸の国の筑波山陽成院は清和天皇の皇子。9歳で即位、病のため17歳で譲位された、というより乱暴な行動が多く、譲位させられたということです。
平安時代、天皇が幼い時は外戚関係の貴族達が摂政や関白という地位を得て、役割を担いました。
天皇が若い時に作られたこの歌は、密やかな恋心が次第に深まっていく様子を川の流れに例え、印象的です。