
筑波嶺の 嶺より落つる みなの川
恋ぞつもりて 淵となりぬる
Reading
Tsukubane no Mine yori otsuru Minanogawa
Koi zo tsumori te Fuchi to nari nuru
和歌の意味
筑波の峰から激しく落ちて流れていく小さな水の流れも、次第に大きくなって男女川(みなのがわ)とな、やがて深い淵(ふち)となる様に、私のほのかな恋心も積もり積もって、今では淵の様に深くなってしまった。
Meaning
My love has got deep enough to make a pool now, as well as the drops from the peak of Mt. Tsukuba make a deep pool in Minano River.
鑑賞
筑波嶺(つくばね)は常陸の国の筑波山陽成院は清和天皇の皇子。9歳で即位、病のため17歳で譲位された、というより乱暴な行動が多く、譲位させられたということです。
平安時代、天皇が幼い時は外戚関係の貴族達が摂政や関白という地位を得て、役割を担いました。
天皇が若い時に作られたこの歌は、密やかな恋心が次第に深まっていく様子を川の流れに例え、印象的です。