
住の江の 岸による波 よるさへや
夢の通ひ路 人めよくらむ
Reading
Suminoe no Kishi ni yoru nami Yoru sae ya
Yume no kayoiji Hitome yoku ramu
和歌の意味
住の江の岸による波、その夜の夢の中でも愛するあの人は会いに来てくれない。夢の中でも人目をさけているからだろうか。夢にさえ、会えない、つらい、せつない思い。
Meaning
I'm wondering why I should go to see you in secret even in my dream at night(=yoru), the word of dashing(=yoru) waves against Suminoe Beach?
鑑賞
住之江の岸による波までが序詞で、よる(夜)にかかる。
よる波はいく夜もくり返し、愛する人を待っているせつなさを感じさせる。
「ひとめ」は他人の目、「よく」は避ける「らむ」は推量これは男性が女性の気持ちになって詠んだ歌。この時代は男性が女性の元へ通う習慣があった。
夢の通ひ路とは素敵なことばですね。なめらかな口調で、この歌が好きと言う人は多いです。
藤原敏行は書家として有名。多くの写経を残した。
歌人としても有名で、三十六歌仙の一人でもある。