
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば
今ひとたびの みゆき待たなむ
Reading
Ogurayama Mine no momijiba Kokoro ara ba
Ima hitotabi no Miyuki mata namu
和歌の意味
小倉山の峰の紅葉よ、もしお前に心があるならば、もう一度御幸があるその時まで、このまま散らずに待っていておくれ。
Meaning
If the maple leaves on Mt. Ogura have hearts, I'd like to make them to be as beautiful as they are until next Emperor's pilgrimage.
鑑賞
紅葉を擬人化して、呼びかけている表現。
「行幸」は天皇のお出まし、「御幸」は法王・上皇・女院のお出ましに使う。
宇多院が大井川に御幸された時に、小倉山の紅葉の美しさに感動されて、息子である醍醐帝にもお見せしたいと仰せられた」ので、お供をしていた藤原忠平(後の貞信公)がこの歌を詠んで、奏上したという事が、詞書に書いてある。
小倉山は紅葉が美しい山で有名で、貴族達の行楽の地であった。今日でも紅葉の名所として多くの人が訪ずれる。
鎌倉時代この小倉山に、藤原定家の山荘があり、ここで定家が百人一首を編纂したので「小倉百人一首」と呼ばれている。
藤原忠平は、藤原氏全盛の礎を築いた。