百人一首の解説

The meaning of Hyakuninishu waka poems

No.027

中納言兼輔

Chunagon Kanesuke

中納言兼輔

みかの原 わきて流るる 泉川
いつ見きとてか 恋しかるらむ

Reading

Mikanohara Waki te nagaruru Izumi-gawa
Itsu mi ki to te ka Koishikaru ramu

和歌の意味

みかの原を分ける様に、湧き上がって流れている泉川よ。あなたをいつ見たというのか、まだ逢ってもいない。それなのにどうしてこんなに恋しいのか。

Meaning

Like the name of Izumi River gushing out from Mikanohara and flowing like dividing it, when did I see her and why I miss her so much (though I have never seen her)?

鑑賞

これは「逢わざる恋」の歌。この時代の姫君は、めったに外に出ることはなく、男性は美しいという評判を聞いただけで、あこがれて、恋文を贈った。その評判を広げるのは、姫君のおつきの女房達であり、また憶測もあった。琴の音にもあこがれた。
藤原兼輔は、紫式部の曽祖父である。王朝初期の歌人として有名。加茂川の堤に住んでいたので、堤中納言と呼ばれた。
紫式部はこの広い屋敷で一生の大部分を過ごした。
今はこの屋敷の跡に廬山寺という寺院が有り、『源氏物語執筆の屋敷」として、知られている。枯山水庭園は、源氏庭として作庭され、夏には紫の桔梗(キキョウ)が美しく咲き、名所となっている。