
山里は 冬ぞ寂しさ まさりける
人目も草も かれぬと思へば
Reading
Yamazato wa Fuyu zo sabishisa Masari keru
Hitome mo kusa mo Kare nu to omoe ba
和歌の意味
山里はいつの季節も淋しいが、冬は特に寂しさが勝るものだ。人は離れる(かれる)し、草も枯れる。
Meaning
Thinking of visitors having disappeared and leaves and grass having been withered, I feel more lonely in a mountain village in winter.
鑑賞
人が離れる(かれる)と草が枯れるが掛詞訪ねてくる人もなくなるし、草も枯れてしまう、冬の光景、上の句と下の句が倒置法。
「古今集」の詞書に「冬の歌として詠める」とある。
孤独な心が冬の寒々しい光景と重なり、ますます増さってくる。
源宗之は光孝天皇の孫だが、臣籍に下って、源の姓になった。
官位がはかばかしく進まず不遇であったと言われている。
三十六歌仙の一人である。
官位には恵まれなかったが、多くの和歌を残した。