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朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに
吉野の里に 降れる白雪
Reading
Asaborake Ariakenotsuki to Miru made ni
Yoshino no sato ni Fureru shirayuki
和歌の意味
夜がほのかに明るくなってきた、まるで有明の月かと見間違う程に吉野の山里には、辺り一面真っ白な雪が降っていることよ。
Meaning
When it began to break, Yoshino was covered with snow so beautifully that I thought it lightened by the morning moon.
鑑賞
月の明かりの白さと雪の白さの対比が、印象的である。
体言止め。百人一首には体言止めの句が多い。余韻を感じさせる。
坂上是則は蝦夷征伐をした坂上田村麻呂の子孫と言われている。
歌人として活躍、三十六歌仙の一人である。
平安時代には、吉野の里は人里離れた遠い所、淋しい場所であった。冬は雪、春は桜の名所として知られていた。
鎌倉時代には源義経が都落ちした時、静御前が一緒に逃れた場所として多くの物語が伝えられ、今も人々に親しまれている。
今も吉野山はお花見の名所ですね。山全体が桜色に染まる光景は、本当に日本人の心の故郷でもあります。