
白露に 風の吹きしく 秋の野は
つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
Reading
Shiratsuyu ni Kaze no fukishiku Aki no no wa
Tsuranuki tome nu Tama zo chiri keru
和歌の意味
秋の野の草の上に、一面に白露が積もっている。秋風がしきりに吹き付けると、白露の玉が,ぱらぱらと飛び散って、まるで、糸を通してない玉が、飛び散っている様に見える事よ。
Meaning
How beautiful the fields in autumn with the dewdrops on the grass scattering like unchained beads windblown constantly are!
鑑賞
白露の玉というのは「真珠」かまたは「水晶」か?
秋の野原一面のススキや茅の葉の上に白露が下りて、きらきらと輝いている。そして強い風が吹くたびに白露の玉が、まるで水晶を貫いている紐が、止められてなかったようにばらばらに飛び散っている。美しい光景、躍動感がある。
「白露」を「水晶の玉に」見立てている。「真珠」と取る人もいる。どちらでもよい。
昔の人々も、宝石を好み、美しい球の宝石に緒を通して、装身具として身に着けた。ヒスイ製の勾玉や首飾りなどもあった。
文屋朝康は、22番の文屋康秀の息子である。