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浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど
あまりてなどか 人の恋しき
Reading
Asajiu no Ono no shinohara Shinoburedo
Amari te nado ka Hito no koishiki
和歌の意味
浅茅(あさじ)の生い茂っている小野の篠原、そのしのではないが、忍び続けてきたこの恋心が抑えきれずにあふれ出てきてしまいそうだ。どうしてあの人がこんなにも恋しいのか。
Meaning
I've been enduring like the word "shino(=endure)" of shino fields with chigaya, where bamboos are growing, but why do I miss you so much as well as the fields are going full of dewdrops on shino leaves?
鑑賞
初めから篠原までが、しのぶにかかる序詞(じょことば)でしのぶれどに係る。同音が繰り返されて荒涼とした原野が、浮かびだされ、忍ぶ恋の辛さや激しさを感じとらせる。
浅茅とは、荒れた地に一面に生える、丈の低い茅(ちがや)、イネ科の植物で、白い穂を出し、繁殖力が強い。
小野の篠原は特定の地名ではない。小(お)は接頭語。
源氏物語の「末摘花」の巻では、常陸宮邸の荒れ果てた庭に浅茅が生い茂っているさまが描かれている。
参議等は源等のこと。嵯峨天皇の曽孫で、参議という位に着いた歌人としては有名ではないが、忍ぶ恋の歌の一つとして、百人一首に採用されている。