百人一首の解説

The meaning of Hyakuninishu waka poems

No.040

平兼盛

Taira no Kanemori

平兼盛

忍ぶれど 色に出にけり わが恋は
ものや思ふと 人の問ふまで

Reading

Shinobure do Iro ni ide ni keri Wa ga koi wa
Mono ya omou to Hito no tou made

和歌の意味

あの人を恋する気持ちをじっと胸の奥に隠してきたが、顔の表情や雰囲気に出てしまっているのか、「恋の物思いをしているではないか」と人に尋ねられる程になってしまっているよ。

Meaning

I have been concealing my love but my face has betrayed it so much that people ask me now whether I'm in love.

鑑賞

忍ぶ恋の歌である。自分では隠し通しているつもりなのに、周りの人には、敏感に知られてしまっている。初々しい恋の歌。
人の問ふまでは、色に出にけりに係る・・・倒置法である。
平兼盛は光孝天皇の子孫であったが、臣籍に下って平姓を名乗った。十世紀後半の代表的歌人。三十六歌仙の一人である。
この歌は「天暦御時の歌合」の時に詠まれた歌だが、この歌合わせで事件が起こった。当時一流の歌人が、東西に分かれて、和歌を披露し、判者が優劣を決めるのだった。当時の貴族たちは和歌の優劣が出世につながったので、必死の思いで和歌作りに励んだ。平兼盛の歌の平兼盛の「忍ぶれど・・・」の歌の対戦相手は、41番の壬生忠見の「恋すてふ・・・」の歌だった。
続きは41番の解説で。