百人一首の解説

The meaning of Hyakuninishu waka poems

No.041

壬生忠見

Mibu no Tadami

壬生忠見

恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり
人知れずこそ 思ひそめしか

Reading

Koisu cho Wa ga na wa madaki Tachi ni keri
Hito shire zu koso Omoisome shi ka

和歌の意味

私が恋をしているという噂がもう世間に立ってしまった。誰にも知られないように、ひそかに思い始めたばかりなのに。

Meaning

There is already a grapevine that I'm in love, I have just begun to be in love with her in secret, though.

鑑賞

人知れず思い染めしが・・・わが名は、・・・たちにけりは倒置法。恋は始まったばかりなのに、実らぬ予感がある。
<40番の鑑賞の続き>
兼盛の歌は右、忠見の歌は左に配せられた。双方の歌が披講された。どちらも甲乙つけがたい傑作である。
判者たちは困ってしまった。天皇も判断がつきかねた。しかし天皇がふと「しのぶれど…」と口ずさまれた。これを聞いた判者が「右が勝ち!」と宣言した。
負けたと知った忠見は大きなショックを受けて、その後重い病気になり、亡くなってしまったという話が残っている。
当時の歌人達は、和歌を作る事に命を懸けたのですね。だからこそ、多くの和歌の傑作が生みだされ、今日まで残っているのです。日本文化の素晴らしい宝物です。