百人一首の解説

The meaning of Hyakuninishu waka poems

No.043

権中納言敦忠

Gon Chunagon Atsutada

権中納言敦忠

逢ひ見ての のちの心に くらぶれば
昔はものを 思はざりけり

Reading

Aimi te no Nochi no kokoro ni Kurabure ba
Mukashi wa mono wo Omowa zari keri

和歌の意味

あなたと之逢瀬がやっとかなったその後は、恋しい気持ちが更に募り、以前の恋心などは、何も思っていなかったほどに思える。

Meaning

My love to you could be nothing, compared with that after I met and slept with you.

鑑賞

「逢ふ」も「見る」も男女の契りを結ぶという意味で使われる。後朝の歌である。逢瀬を遂げた後の恋しさや苦しさは以前とは比べようがない程だと嘆いている。
中納言淳忠は左大臣時平の三男である。美青年で恋多き人だった。。多くの恋の歌を残している。琵琶の名手だった。
この歌は38番の右近に贈った歌と言われている。
当時はやった疫病で、一族が皆若くして亡くなったのは、時平が、菅原道真を失脚させ大宰府へ追いやった祟りだと世間の人は噂した。その魂を鎮めるために、大宰府を建立し、道真の魂を慰めたと言われている。