百人一首の解説

The meaning of Hyakuninishu waka poems

No.044

中納言朝忠

Chunagon Asatada

中納言朝忠

逢ふことの 絶えてしなくは なかなかに
人をも身をも 恨みざらまし

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Au koto no Tae te shi naku wa Nakanakani
Hito wo mo mi wo mo Urami zara mashi

和歌の意味

もしあの人に逢う事が全くなかったなら、かえって、つれないあの人を恨んだり、つらい自分を嘆いたりする事もないのに恋の苦しみは増すばかりだ。

Meaning

If I would never see you, on the contrary, I would not have a grudge against you and myself.

鑑賞

この歌には恋という文字が一つも無いのに恋の歌になっているということで、恋の歌のお手本戸されている。
40番の平兼盛と41番の壬生忠見が「天徳内裏歌合」で歌を競った同じ会に出された作品である。
王朝の恋は、型があり、「忍(しのぶる)恋」、「未(いま)だ逢わざる恋」、「逢うて逢わざる恋」などと分類されていた。朝忠のこの歌は「逢うて逢わざる恋」の代表作となった。
中納言朝忠とは藤原朝忠のことで、25番藤原定方の息子である。土御門(つちみかど)中納言とも呼ばれる。恋多き人といわれ、恋の歌を多く残した。