
寂しさに 宿を立ち出でて ながむれば
いづこも同じ 秋の夕暮れ
Reading
Sabishisa ni Yado wo tachiide te Nagamure ba
Izuko mo onaji Aki no yugure
和歌の意味
寂しさのあまり、家を出て、あたりを眺めてみれば、どこも同じように寂しい秋の夕暮れであることよ。
Meaning
When I left home in too much loneliness and looked around, it was also lonely sunset in autumn everywhere.
鑑賞
「秋の夕暮れ」は体言止め。「新古今集」に多く見られる。秋の寂寥感を詠ったこの歌はこの歌はその代表的なもの。先は淋しいというイメージが定着した。
良暹法師は洛北の大原に隠棲していた。宿は作者が住んでいる家。人の気配のない山里に住む静けさや淋しさが、描き出されている。
良宣法師は平安中期の天台宗比叡山の僧侶。