
わたの原 漕ぎ出でて見れば 久方の
雲居にまがふ 沖つ白波
Reading
Watanohara Kogiide te mire ba Hisakata no
Kumoi ni magau Oki tsu shiranami
和歌の意味
大海原に舟を漕ぎ出して、はるか彼方を眺めると、沖の方に雲が出たかと見がちがう様な白い波が立っているよ。
Meaning
If I start rowing toward the ocean and look over, whitecaps are forming in the offing as if they were white clouds in the sky.
鑑賞
広々とした大海原、沖に立つ白浪、大空と大海原の境目に、雲かと思う白い波。雄大な風景を詠んだ歌。
内裏の歌合わせの歌。詞書によると、崇徳院の前で「海上遠望」という題で詠んだとされている。
いかにもふさわしい大らかな歌である。
この作者は長い名前で有名である。
藤原忠通は摂政関白大臣忠実の子。忠通は晩年法性寺に隠遁し出家したので、法性寺入道と呼ばれるのである。
カルタ会を行う時「百人一首の中で一番長い名前の人は?」とクイズに出したりする。