百人一首の解説

The meaning of Hyakuninishu waka poems

No.077

崇徳院

Sutokuin

崇徳院

瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
われても末に 逢はむとぞ思ふ

Reading

Se wo hayami Iwa ni seka ruru Takigawa no
Ware te mo sue ni Awa mu to zo omou

和歌の意味

川の瀬の流れが速いので、急流が岩にせき止められて、二手に分かれても、また一つになる様に、恋しいあの人と今は別れても、またいつか逢う時が来ると思う。

Meaning

I declare that I will be with you again in the future even if I say good-bye to you, as well as a stream running as fast as a waterfall is stopped and split into two by rocks because it runs too fast butunites later.

鑑賞

百人一首の中では有名な歌の一つである。
上の句では、山の中の急な流れの川の情景が描かれているが、下の句では、激しい恋の歌になっている。
「瀬をはやみ」から「滝川の」迄が、「われても」を導き出す序詞。
崇徳院は、鳥羽天皇の第一皇子であったが、父は自分の子ではないと認めず、白河院の子だと言って疎んじた。また保元の乱に巻き込まれ、権力争いに敗れて讃岐へ流された。
その地で、悲憤のまま亡くなられた気の毒な天皇であった。
朝廷にはその後さまざまな不幸が続き、崇徳院の怨霊によるものだとされた。その一生は歌舞伎や映画のテーマとして様々に取り上げられている。