
瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の
われても末に 逢はむとぞ思ふ
Reading
Se wo hayami Iwa ni seka ruru Takigawa no
Ware te mo sue ni Awa mu to zo omou
和歌の意味
川の瀬の流れが速いので、急流が岩にせき止められて、二手に分かれても、また一つになる様に、恋しいあの人と今は別れても、またいつか逢う時が来ると思う。
Meaning
I declare that I will be with you again in the future even if I say good-bye to you, as well as a stream running as fast as a waterfall is stopped and split into two by rocks because it runs too fast butunites later.
鑑賞
百人一首の中では有名な歌の一つである。
上の句では、山の中の急な流れの川の情景が描かれているが、下の句では、激しい恋の歌になっている。
「瀬をはやみ」から「滝川の」迄が、「われても」を導き出す序詞。
崇徳院は、鳥羽天皇の第一皇子であったが、父は自分の子ではないと認めず、白河院の子だと言って疎んじた。また保元の乱に巻き込まれ、権力争いに敗れて讃岐へ流された。
その地で、悲憤のまま亡くなられた気の毒な天皇であった。
朝廷にはその後さまざまな不幸が続き、崇徳院の怨霊によるものだとされた。その一生は歌舞伎や映画のテーマとして様々に取り上げられている。