百人一首の解説

The meaning of Hyakuninishu waka poems

No.079

左京大夫顕輔

Sakyo no Daibu Akisuke

左京大夫顕輔

秋風に たなびく雲の 絶え間より
もれ出づる月の 影のさやけさ

Reading

Akaze ni Tanabiku kumo no Taema yori
More izuru tsuki no Kage no sayakesa

和歌の意味

秋風によって、夜空の雲がたなびいている。するとその雲の切れ間より、月の光がさっともれて、美しく澄み渡ってみえることよ。

Meaning

How bright and clear the moonlight through the rifts in the clouds trailing with an autumn wind is!

鑑賞

秋の夜空の美しい光景である。昔の人は月を友とし、月を愛でた。夜は暗く、淋しく、月の満ち欠けも、月の動きも意味を持ってとらえ、自分の思いを託して多くの和歌を残した。
美しい歌で朗詠したくなる。
藤原顕輔は84番の藤原清輔の父。
父の顕季も有名な歌人で、その父の後を継いで、六条家歌学を起こす。多数の歌会、歌合せで活躍した。