百人一首の解説

The meaning of Hyakuninishu waka poems

No.089

式氏内親王

Shikishi Naishinno

式氏内親王

玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば
忍ぶることの 弱りもぞする

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Tama no wo yo Tae na ba tae ne Nagarae ba
Shinoburu koto no Yowari mo zo suru

和歌の意味

わが命よ、絶えるなら、絶えてしまえ。このまま生きながらえていたら、この耐え忍ぶ恋心を隠す力が弱まってしまうかもしれないから。

Meaning

Die if you die, my life. Otherwise, my heart to endure the secret love will get down and it will be open if you live.

鑑賞

玉の緒とは、命のこと。魂を身体につないでおく緒(ひも)のことである。
この恋は秘し隠さなければならない恋である。張りつめた思いが緊張感をもたらしている。
式氏内親王は後白河天皇の第三皇女。加茂神社の斎院を勤められ、後に出家された。
内親王の歌の師は藤原俊成だった。定家は父に連れられて、内親王の御所に参上した。御簾の向こうに居られる内親王の気高さに、あこがれた。内親王の方が定家より八才程年上だった。という逸話がある。
式氏内親王は、「新古今和歌集」の代表な女流歌人。