
わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の
人こそ知らね 乾く間もなし
Reading
Wa ga sode wa Shiohi ni mie nu Oki no ishi no
Hito koso shira ne Kawaku ma mo nashi
和歌の意味
私の袖は、引き潮の時でも沖の海に深くに沈んで見えない石のように、人は知らないでしょうが、涙に濡れて乾く暇もないのですよ。
Meaning
My sleeves don't have a time to dry like a rock in the offing which can't be seen even when the tide is out, though people don't know it.
鑑賞
「石に寄する恋」という題詠歌。
涙にぬれている袖を「沖の石」に例え、「人こそ知らね」は作者の秘めた恋を誰も知らないと言っている。その石が乾く暇もないように私の涙も乾く暇はありません。石と恋を取り合わせている。
二条院讃岐は二条天皇に仕えた女房である。
この歌が有名になって「沖の石の讃岐」と言われた。
この時代武家が台頭し、世の中は戦が多く、乱れていたが、讃岐は美しい歌をたくさん残した。